東北(旧奥州)各地の言語資料を基に、
「んだ」の意味・原形・活用などについて
整理しました。
編集:千葉光
目次:
01. 意味02. 用法
・んだ - ①活用
・んだ - ②連語
03. 原形
04. 各地の言語資料より
【青森】津軽 南部
【秋田】全般 県北 県南 由利
【岩手】旧南部領 旧伊達領
【山形】全般 庄内 最上 村山 置賜
【宮城】全般 仙台都市圏 県北 三陸圏
【福島】全般 会津 中通り中部 中通り南部
浜通り北部 浜通り南部
【新潟】東蒲原郡(旧会津藩領)
05. 編集後記
意味
んだ
〔意味〕そうだ、そう
〔用途〕相手の話に同意するときに使う
用法
東北各地の言語資料を基に、①活用、②連語にて整理しました。
んだ - ①活用
活用について整理しました。(な行え・あ中間音を変体仮名で表記)
んだ - ①活用
尚、活用の作成は、次の言語資料を参考にしました。
津軽木造新田地方の方言(2000年、田中茂)
ンデネ--- 抜粋ここまで ---
【意味】そうでない
【品詞】
ン:副詞「そう」
デ:断定助動詞「ダ」連用形
ネ:補助形容詞
【活用】
未然「ダベ」
連用「デあった」
終止「ダ」
連体「ダ時」
仮定「ダば」「ダラ」
命令「◯」
【その他】
「ンデネ」の「デ」は、
断定助動詞「ダ」の連用形である。
【用例】
ンデネ、運動会来週ダ。
(そうじゃない、運動会は来週だよ)
この資料では「ンデネ」の活用について、
語幹「ン」を副詞とし、
「デ」を断定助動詞の連用形、
「ネ」を補助形容詞としています。
んだ - ②連語
各地の言語資料に集録されている語から、公用語として使う主な語についてまとめ
ました。
んだ - ②連語
【参照】え・あ中間音
原形
「んだ」の原形については、次の二通りが考えられます。うん + だ → んだ
(青森県南 岩手県北 八戸地方 方言辞典より)
そうだ → そんだ → んだ
(津軽木造新田地方の方言より)
青森県南 岩手県北 八戸地方 方言辞典(1986年、寺井義弘)
うん(感)
〔意味〕はいの卑語(肯定)。んともなる。
うんだ(句)
〔意味〕そうだ。うん(感)前述。んだ。
辞典では、んの先行する語彙は
取り扱われていないが、
本地方には存在する。
意義的にはうんが本態であるが、
発音的にはうはんに吸収されている。
ン(感)
〔意味〕はい(返事)、うんの略語。(卑語)
んだ(句)
〔意味〕そうだ。うんだの訛句(卑語)
--- 引用ここまで ---
理解を進みやすくするため、
冒頭に「うん・うんだ」、
次に「ん」の先行する語彙についての解説、
「ん・んだ」の順に引用しました。
この資料を基に整理すると、「んだ」の原形は、
【ん】:「うん」の「う」が、「ん」に吸収されたものとなります。
【だ】:断定の助動詞
「う」で始まる「うん・うんだ」も、
青森(南部)から福島まで、
奥州/東北の広範囲の言語資料に見られます。
また、解説にありますが、
先頭の「う」は、奥州/東北の言語では
「ん」に吸収される傾向にあります。
「う」が「ん」に置き換わる語彙としては、
馬:んまなどが見られます。
梅:んめ
埋める:んめる
美味い:んめァ
日本語には、
先頭が「ん」で始まる語彙はなく、
これは奥州/東北独自の用法といえます。
津軽木造新田地方の方言(2000年、田中茂)
ンダ・ソンダ
〔意味〕そうだ
〔原形〕そうだ
〔品詞〕
ン:副詞「そう」
ダ:断定助動詞
〔音韻〕
「ソンダ」ということもあるから
原形は「そうだ」であろう。
「そうだ」の「う」(長音「お」)が
ア行音であるから、
「ン」と転化したものだろう。
「ソンダ」となって「ソ」が脱落して
「ンダ」となったものだろう。
〔その他〕
この「ン」は「うん」でなく、
「そう」が変化したものだろう。
「ソンダ」の形があるのが
その理由である。
「ダ」は断定助動詞である。
〔用例〕
・ンダンダ、ソシタ方え。
(そうだそうだ、そうした方がいいよ)
・ンダラコシガ。
(そうなら、こうやろうか)
--- 引用ここまで ---
この資料では「ンダ」の経路を、
ソウダ → ソンダ → ンダとしており、
「ン」は「うん」でなく、
「そう」が変化したものだろうとしています。
その理由について、
「ソンダ」の形があることをあげています。
福島県方言辞典(1935年)にも、
・ソンデナイァ(さうでありません)と、撥音「ン」の付いた形があり、
・ソンネ(さうでない)
奥州/東北の広範囲の言語資料に見られます。
ここまで、
二通りの原形についてとりあげましたが、
どちらにも一理あることから、
どちらの説が正しいと断定することはできません。
ただし、確かなことは、
先頭が「ん」で始まる用法は
奥州/東北独自のものであるということです。
各地の言語資料より
各地の言語資料より、意味・用例などを整理しました。
注)言語資料名の( )内は、発行年、著者名
青森(津軽地方)
青森県方言集(1936年、菅沼貴一)ンダ
〔意味〕さうだ、左様です
〔品詞〕感動詞
〔言語使用区域〕津軽
津軽 森田村方言集(1979年、木村国史郎)
ンダ
〔意味〕そうだ。そうです。
〔解説〕相手に賛意を表する時に使う。
ンダベ
〔意味〕そうだろう。
津軽木造新田地方の方言(2000年、田中茂)
ンダデバノ
〔意味〕そうだよね
〔例〕ンダデバノ、ワモソーモル
(そうだね、私もそう思う)
ンダナ
〔意味〕そうだね
〔例〕ンダナ、吾モソシデァ。
(そうだね、俺もそうするよ)
青森(南部地方)
南部のことば(1992年、佐藤政五郎)んだ
〔意味〕そうだ
んだんだ
〔意味〕そうだそうだ・そうそう
んだが
〔意味〕そうか・そうなのか
〔例〕んだが、へばあきらめた
(そうか、そうすればあきらめた)
んだから
〔意味〕だから・そうだから・それだから
〔例〕んだから、やめろってへたべーね
(だから、やめろって言ったろうが)
んだった
〔意味〕そうだった
〔例〕今日ぁ先生の送別会だったね。
んだった、すっかり忘れていた。
青森県南 岩手県北 八戸地方 方言辞典(1986年、寺井義弘)
んだが
〔意味〕そうか。そうだか。(卑語)
んだべ
〔意味〕そうだろう。そうでしょう。
秋田(全般)
秋田方言(1929年、秋田県学務部学務課)んだ
〔意味〕さうだ。
〔例〕んだたて、知らなかったもの。
〔方言採集地〕全県
んだど
〔意味〕さうだと。
〔例〕よくきいたら、んだど。
〔方言採集地〕平鹿郡
んだな
〔意味〕さうだね。
〔方言採集地〕平鹿郡
んだべ
〔意味〕さうだろう。
〔例〕甲「これは梅の実か」、
乙「んだべ。」
〔方言採集地〕北秋田郡
んだべが
〔意味〕さうでせうか。
〔例〕んだべが、僕はどうしても
信ずることが出来ない。
〔方言採集地〕雄勝郡
秋田(県北)
田代町史資料 第四輯 田代町の方言(1983年、秋田県田代町)ンダァ
〔意味〕そうだ
ンダンダ
〔意味〕そうだそうだということばである。
ンダデバ
〔意味〕そうなんだよということである。
決めつける自信満々のことばである。
ンダナァ
〔意味〕そうだなあということである。
思案する時、又は、決意を固めた時に
口にすることばである。
ンダベ・ンダンベ
〔意味〕そうだろう・そうだろうよ・
ということである。
もっぱら同僚以下の会話に
聞かれることばである。
阿仁前田附近の方言・訛語(2012年、庄司国千代)
んだ・んだす
〔意味〕そうだ
〔解説〕会話の折、相手方の言うことを肯定する言葉
んだがぁ
〔意味〕そうですか
〔解説〕問いかけの言葉で、対等者や年下に使う
んだべ
〔意味〕そうでしょう
〔解説〕肯定語で、対等者や年下に使う
秋田(県南)
おらほの言葉 西木村(1997年、佐藤ミキ子)ンダ
〔意味〕そうだ。どれ。そうです。
ンダガ
〔意味〕そうか。そうですか。
ンダガモ
〔意味〕そうかも。そうかもしれない。
ンダガラ
〔意味〕そうですから。そうだから。
それだから。
ンダケ
〔意味〕そうであった。
ンダド
〔意味〕そうであったそうだ。そうだと。
ンダナ
〔意味〕そうだな。そうですね。
秋田(由利)
本荘・由利のことばっこ(2004年、本荘市教育委員会)んだ・んだす
〔意味〕そうだ。その通りだ。
〔例〕「んだす まじげねぁ。
(そうです、間違いない)」
んだが
〔意味〕そうか。そうなの。
〔解説〕文末のイントネーションが
高昇調の場合は疑問になる。
〔例〕「んだが 昨日いったことど
まじげねぁな。
(そうか、昨日言ったことと
間違いないな)」
んだったら
〔意味〕そうだったら。その通りであったら。
んだがら
〔意味〕・・・だから。それ故。
〔例〕「んだがら なんども ゆたでろ
(だから何度もいったでしょう」
んだなぁ
〔意味〕そうだよ。そうだね。
〔例〕「あの人 あこねえの むご んだでぇ。
(あの人、あそこの家のお婿さんだそうだよ)」
んだでろ・んだべじぁ
〔意味〕そうだろう。そうであろう。
〔解説〕由利海岸部で多く用いる。
んだんだど
〔意味〕そうなんだって。
岩手(旧南部領)
おでぇあたっすか-花巻方言の整理と考察-(佐藤善助, 1976年)ンダベ
〔意味〕そうだろう
ンダンダ
〔意味〕そうだそうだ
盛岡のことば(1981年、佐藤好文)
ンダ
〔意味〕そうだ。
ンダガラ
〔意味〕そうだから。だから。そこで。
ンダッタ
〔意味〕そうだった。
ンダンダ
〔意味〕そうだそうだ。
遠野ことば(俵田藤次郎・高橋幸吉, 1982年)
ンダ
〔意味〕そうだ
ンダガラ
〔意味〕そうなんですョ(合槌をうつ)
同感の言葉。
岩手県央部 紫波の言葉(山田長耕, 2007年)
んだ
〔意味〕そうだ
んだな
〔意味〕そうだな
岩手(旧伊達領)
胆澤の方言(阿部松輔・穴戸敦, 1983年)んだ
〔意味〕そうだ
んだがぁ
〔意味〕そうですか
んだがら
〔意味〕そうだから
んだがらって
〔意味〕そうだからと言って
んだっけぇ
〔意味〕そうだっけ
んだっけなぁ
〔意味〕そうだっけね
んだった
〔意味〕そうでした
んだっつど
〔意味〕そうだってよ
んだど
〔意味〕そうだと
んだどすっと
〔意味〕そうだとすると
んだどなぁ
〔意味〕そうだとな
んだなぁ
〔意味〕そうだね
んだべぇ
〔意味〕そうだろう
んだべぇが
〔意味〕そうだろうか
んだべぇし
〔意味〕そうだろうし
んだもの
〔意味〕そうですもの
んだんだ
〔意味〕そうだそうだ
山形(全般)
山形県方言集(山形県師範学校, 1933年)んだ
〔意味〕さうだ
〔使用地方〕庄内、最上、村山、置賜
〔例〕んだ それは牛だ。
(さうだ それは牛だ。)
んだべが
〔意味〕さうでせうか
〔使用地方〕最上
〔例〕ほだごと んだべが。
(そんな事さうでせうか。)
んだべな 〔意味〕さうでせうよ
〔使用地方〕最上
〔例〕んだべな、あの人は馬鹿だもの。
山形県方言辞典(山形県方言研究会, 1970年)
ンダ
〔意味〕然り。そうだ。
〔分布地点〕全県的
ンダが
〔意味〕そうか。
〔分布地点〕全県的
ンダべ
〔意味〕そうだろう。
〔分布地点〕置賜、村山、最上
山形(庄内)
みかわの方言(佐藤武夫, 1983年)んだ
①そうです ②どれ 「んだ味見ろ」
んだが
〔意味〕そうですか
んだがも
〔意味〕そうかも
んだがら
〔意味〕そうだから
んだったら
〔意味〕そうだったら
んだど
〔意味〕そうだって
んだなぁ
〔意味〕そうだねえ
んだんだ
〔意味〕そうそう
庄内方言集 おらが庄内弁(佐藤俊男, 1984年)
んだ
〔意味〕そうだ
〔解説〕「んだんだ」となると、
そうだそうだの意になる
山形県朝日村 大鳥方言集(工藤栄太郎, 1996年)
んだんだ
〔意味〕そうだ、そうだ。
〔解説〕大鳥古来の方言でなく、
以北の交流によって使われた
言葉でないかと考えられる。
山形(最上)
真室川の方言・民俗・子供の遊び(矢口中三, 1978年)ンダ
〔意味〕そうだ。そう。然り。
ンダガ
〔意味〕そうか。
ンダケ、ンダッケ
〔意味〕そうだった(よ)。やっぱり-。
ンダケガ
〔意味〕そうだったか。そうであったか。
ンダケガー、ンダッケガー
〔意味〕そうだったかなあ?
ンダケベー、ンダケベナ
〔意味〕そうだったろう。やっぱり-。
ンダッタ
〔意味〕そうだった。マァェ(以前は)-。
ンダベ、ンダベー
〔意味〕そうだろう。やっぱり-。
ンダベガ
〔意味〕そうだろうか。
山形(村山)
羽前村山方言(斎藤義七郎, 1934年)ンダ
〔意味〕さうだ
ンダベガ
〔意味〕さうだらうか
山形(置賜)
置賜のことば百科(菊地直, 2007年)んだ
〔意味〕そうだ。「 ほだ 」と同じ。
〔解説〕相槌を打つとき。
〔品詞〕感動詞
〔例〕「んだ、おめのゆうごど あだりだ」
「んだ、あんどぎは おらんだど
一緒に えだった 」
んだが
〔意味〕そうですか。
〔品詞〕連語
〔例〕「んだが んだが そらぁ ししゃねべ」
んだったら
〔意味〕そういうことなら。そうだったら。
〔品詞〕連語
〔例〕「んだったら なじょする」
んだでば
〔意味〕そうなのだ。
〔品詞〕連語
〔例〕「嘘でねえ んだでば」
んだど
〔意味〕そういうことです。
そうだということです。
〔品詞〕連語
〔例〕「確かめだら んだど」
んだんだ
〔意味〕そうだ、そうだ。
〔解説〕念を押しながら相槌を打つこと。
〔品詞〕連語
〔例〕「んだんだ、それは 確かなことだ」
宮城(全般)
宮城県史20 民俗Ⅱ(宮城県史編纂委員会, 1960年)方言(藤原勉)
んだ
〔意味〕そうだ。ふだ・ほだ とも言う。
〔例〕「んだ。んだがら言わねえこどでねゃあ」。
宮城(仙台)
仙台方言集(土井八枝, 1919年)んだ
〔意味〕そうだ
んだべ
〔意味〕そうでせう
宮城(県北)
細倉の言葉(世古正昭, 1956年)んだ
〔意味〕ソウダ。
〔解説〕
ウンダ(unda) ではなくて ンダ(nda)。
一般には ソウダ の意で
、 ンダンダ と重ねて用いることも多いが、
又、別に ンダ で
サア、イザ というように
促しの意で用いることもある。
「 ンダ 行グベシ」(サア行こう)
のような例である。
んだんだ
〔意味〕ソウダ、ソウダ。
〔例〕
一般の ソウダソウダ 程
重ねて強調するのではなく、
もう少し軽いニュアンス、ソウソウ。
宮城(三陸圏)
石の巻弁 語彙編(弁天丸孝, 1932年)んだ、んだべ
〔意味〕そうだ。そうだらう。
〔例〕「んだんだやっとおべだ(覚た)」
んだでば
〔意味〕そうですよ。
けせんぬま方言アラカルト(菅原孝雄, 2006年)
んだ
〔意味〕そうです。
〔例〕「んだ、やっぱり予想どおりだったや」
んだがら
〔意味〕そうだから。
〔例〕「んだがら おれの言った通りだべ」
んだでば
〔意味〕そうですよ。
〔例〕「んだでば、あの人隣りの旦那はんでがす」
んだべが
〔意味〕そうだろうか。
〔例〕「んだべが わだすはそう思わねぇがった」
んだんだ
〔意味〕そうだそうだ。
〔例〕「んだんだ そのようにやっぺす」
福島(全般)
福島県方言辞典(1935年、児玉卯一郎)ンダ
〔意味〕さうだ
〔例〕「んだったなあ」「んだ」
〔使用地域〕県北・中部・会津・浜通
ンダガ、ンダカ
〔意味〕さうですか
〔使用地域〕県北・県南・浜通
ンダベカ
〔意味〕さうでせうか
〔使用地域〕県北・中部
福島(会津)
会津只見の方言(2002年、只見町史編さん委員会)んだ
〔意味〕そうだとも。その通りだ。
もっともだ。
〔品詞〕感動詞
福島(中通り中部)
都路村史(1985年、都路村史編纂委員会)ンダ 〔意味〕そうだ
郡山の方言(1989年、福島県郡山市教育委員会)
ンダ
〔意味〕返事。そうです。そうだ。
〔品詞〕感動詞
ンダンダ
〔意味〕そうだそうだ。
〔品詞〕感動詞
どごんわらしえ 故郷福島県「正直」の言葉(2017、鈴木節子)
んだ
〔意味〕そうだ
んだ、んだ
〔意味〕そうだ、そうだ
んだな
〔意味〕そうだな
んだべ
〔意味〕そうだろう
福島(中通り南部)
鏡石町史 第四巻 民俗編(1984年、鏡石町)ンダ
〔意味〕そうだ、そうです
天栄村史 第四巻 民俗編(1989年、天栄村史編纂委員会)
んだ
〔意味〕そうだ そうです
鮫川村史 第一巻 通史・民俗編(2001年、鮫川村 鮫川村史編さん委員会)
んだが
〔意味〕そうか
石川町史 第七巻 下 各論編2 民俗
(2011年、福島県石川町町史編纂委員会)
んだ
〔意味〕そうだ
んだがら
〔意味〕そうだから
んだった
〔意味〕そうでした
んだでば
〔意味〕そうだけれども
んだもんで
〔意味〕そうなので
んだんだ
〔意味〕そうだそうだ
福島(浜通り北部)
高平方言集(2005年、高平方言教室)ンダ
〔意味〕そうだ
〔例〕ンダべど思った
ンダガラ
〔意味〕そうだから
〔例〕ンダガラ言ったべ
ンダッタ
〔意味〕そうだった
〔例〕今思えば、ンダッタなあ
ンダベ
〔意味〕そうだろう
〔例〕ンダベど思った
ンダナー
〔意味〕そうだな
〔例〕ンダナー。おめの言うとおりがもしんにぇ
大熊町方言集(2019年、おおくまふるさと塾)
ンダ
〔意味〕そうだ
〔例〕ンダなあ
ンデネ
〔意味〕そうではない
〔例〕ンデネど
福島(浜通り南部)
いわき方言(1975年、高木稲水)んだ
〔意味〕そうである。
富岡町史 第三巻 民俗 考古編(1987年、富岡町史編纂委員会)
ンダガ
〔意味〕そうか
ンダガラ
〔意味〕そうだから
いわき市小川町地方の方言(1988年、草野二郎)
んだ
〔意味〕そうだ。強調すれば「 んだんだ 」。
〔例〕んだ、それはその通りだ。
新潟県東蒲原郡(旧会津藩領)
奥阿賀・方言と写真(1997年、徳永次一)ンダ
〔意味〕そうです。
編集後記
奥州/東北の言語を後世に残すためには、東北方言の公用語化が不可欠です。
奥州語は、
奥州/東北6県の言語資料を基に、
広範囲に共通の用法で構成されています。
公用語化により、
次世代に継承できる環境を
整えていければ幸いです。
編集者:千葉光