言語の公用語化の一環として、東北各地の言
語資料を基に、「んだ」の用法について整理
しました。
編集:千葉光
目次:
01. 意味02. 用法
・活用
・連語
03. 「うん」が「ん」へ転化
04. 各地の言語資料より
【青森】津軽 南部
【秋田】全般 県北 県南 由利
【岩手:旧盛岡藩】盛岡 中部
【岩手:旧仙台藩】内陸 沿岸
【山形】全般 庄内 最上 村山 置賜
【宮城】全般 仙台 県北 三陸圏
【福島】全般 会津
【福島:中通り】中部 南部
【福島:浜通り】北部 南部
【新潟】東蒲原郡(旧会津藩領)
05. 編集後記
意味
んだ
〔意味〕そうだ、そう
〔用途〕相手の話に同意するときに使う
用法
東北各地の言語資料を基に、「んだ」の活用・連語について整理しました。
活用
「んだ」の活用について整理します。活用:
【参照】え・あ中間音
尚、活用の作成については、次の言語資料を
参考にしました。
津軽木造新田地方の方言(田中茂, 2000年)
ンデネ--- 抜粋ここまで ---
【意味】そうでない
【品詞】
ン:副詞「そう」
デ:断定助動詞「ダ」連用形
ネ:補助形容詞
【活用】
未然「ダベ」
連用「デあった」
終止「ダ」
連体「ダ時」
仮定「ダば」「ダラ」
命令「◯」
【その他】
「ンデネ」の「デ」は、断定助動詞
「ダ」の連用形である。
【用例】
ンデネ、運動会来週ダ。
(そうじゃない、運動会は来週だよ)
この資料では「ンデネ」の活用について、
語幹「ン」を副詞とし、「デ」を断定助動
詞の連用形、「ネ」を補助形容詞としてい
ます。
連語
東北各地の言語資料に集録されている連語から、標準東北語として使う主なものについて
整理しました。
連語:
【参照】え・あ中間音
「うん」が「ん」へ転化
次の資料では、「んだ」の「ん」を、「う」の鼻音としています。
藩境北上市周辺の話しことば(及川慶郎, 1993年)
「ん」音について
ん音は、う音の鼻音である。もともとは、ぬ
音の変化で動詞について打消の意を示す助詞
で口を閉じ或いは、舌を口腔内の上部につけ
て口から声が漏れないようにして、うと発声
するとんとなる。北上地方では、そうだを、
うだと言うが、そのうだは、うだでなく、う
は鼻音で「んだ」である。
んだ(そうだ)
んだが(そうか)
んだがら(そうだから)
んだがらって(そうだからと言ったって)
んだがらな んだがらなす(そうだからね)
んだごった(そうだろう)
んださ(そうだろうよ)
んだす(そうです)
んだすか(そうですか)
んだすてヱ(そうですよ)
んだせヱ んだぞ(そうだよ)
んだった(そうだよ)
んだでば(そうですよ)
んだでばえ んだでばや んだでばよ(そうでしたよ)
んだど(そうだと)
んだどしってせヱ(そうだと思ってね)
んだどす(そうなそうです)
んだどすっと(そうだとすれば)
んだどもって(そうだと思って)
んだな(そうだな)
んだなす んだなっす(そうです)
んだなは(そうだね)
んだのがー(そうなのか)
んだのさ(そうなの)
んだのす んだのせ(そうですよ)
んだべ んだべヱ(そうだろう)
んだべさ んだべじゃ(そうだろうよ)
んだべすか(そうでしょうか)
んだべせー(そうだろうよ)
んだべっか(そうだろうか)
んだべな(そうだろうな)
んだべなさ んだべなす(そうでしょうね)
んだんす(そうです)
んだんすてヱ(そうですよ)
んだんだ(全くそう通りだ)
【補足】
この資料では、解説にあるとおり、「ん」を
、「う」の鼻音としています。それに伴い、
「んだ」の「だ」については、「た」の右肩
に「゛」ではなく、同じ大きさの「△」記号
を付けて鼻濁音表記しています。
なお、見出し語に使われている「ヱ」は、中
間音「æ」です。当方では「え・あ中間音」
と定義しています。
各地の言語資料より
各地の言語資料より、意味・用例などを整理しました。
注)言語資料名の( )内は、発行年、著者名
青森(津軽地方)
青森県方言集(菅沼貴一, 1936年)ンダ津軽 森田村方言集(木村国史郎, 1979年)
〔意味〕さうだ、左様です
〔品詞〕感動詞
〔言語使用区域〕津軽
ンダ津軽木造新田地方の方言(田中茂, 2000年)
〔意味〕そうだ。そうです。
〔解説〕相手に賛意を表する時に使う。
ンダベ
〔意味〕そうだろう。
ンダデバノ
〔意味〕そうだよね
〔例〕ンダデバノ、ワモソーモル
(そうだね、私もそう思う)
ンダナ
〔意味〕そうだね
〔例〕ンダナ、吾モソシデァ。
(そうだね、俺もそうするよ)
青森(南部地方)
南部のことば(佐藤政五郎, 1992年)んだ
〔意味〕そうだ
んだんだ
〔意味〕そうだそうだ・そうそう
んだが
〔意味〕そうか・そうなのか
〔例〕んだが、へばあきらめた
(そうか、そうすればあきらめた)
んだから
〔意味〕だから・そうだから・それだから
〔例〕んだから、やめろってへたべーね
(だから、やめろって言ったろうが)
んだった
〔意味〕そうだった
〔例〕今日ぁ先生の送別会だったね。
んだった、すっかり忘れていた。
青森県南 岩手県北 八戸地方 方言辞典(寺井義弘, 1986年)
んだが
〔意味〕そうか。そうだか。(卑語)
んだべ
〔意味〕そうだろう。そうでしょう。
秋田(全般)
秋田方言(秋田県学務部学務課, 1929年)んだ語源探求 秋田方言辞典(中山健, 2001年)
〔意味〕さうだ。
〔例〕んだたて、知らなかったもの。
〔方言採集地〕全県
んだど
〔意味〕さうだと。
〔例〕よくきいたら、んだど。
〔方言採集地〕平鹿郡
んだな
〔意味〕さうだね。
〔方言採集地〕平鹿郡
んだべ
〔意味〕さうだろう。
〔例〕甲「これは梅の実か」、
乙「んだべ。」
〔方言採集地〕北秋田郡
んだべが
〔意味〕さうでせうか。
〔例〕んだべが、僕はどうしても
信ずることが出来ない。
〔方言採集地〕雄勝郡
んだ・んさ〔感動〕※使用郡市名
(1)
(イ)肯定の気持ちを表す語。そう。そうだ。
(ンダのほかンサも用いる)
(ロ)また、相手に対する問い返し、半信半
疑の気持ちを表す。そう?そうか。
(ンダを用い、ンサは用いない)
〔ンダ〕鹿 北 山 南 市 河 仙 平 雄 由
(ンダを重ねて「ンダンダ」と言うことも多い)
〔(イ)そうだよ。そうだとも〕
〔ンサ〕平
〔ンシャ〕平
〔否定の場合〕〔ンデネァ・ンデネ〕全県
〔(イ)の丁寧体。そうです〕
〔ソーンダンス〕鹿
〔ンダッス〕北 山
〔ンダッス・ンダス・ソーンデアンス〕南 市 河
〔ンダンス〕仙平雄
〔ンデゴンザリアンス・ンデガンス〕由
「ンダ、オ前ノ 言(ユ)ー トオリンダ」
「ンダス、オ前ノ 言ー ゴド ホントンダ」
「ンダンデンバ(そうだったら)、オレモ ソー 思ッテダ」
「ンダッテゲァ(そうだというのかい)」
「ンダンベガ(そうだろうか)」
〔(ロ)そう?・そうか〕
『サッキ 郵便 来タヤ』
『ンダァ、ドゴガラ 来タナンダ』
(2)行動を促す語。さあ。それでは。
〔ンダ〕鹿(対下)
〔ンデァ〕鹿(対下) 北
「ンダ、ソレ 下サイ」
「ンデァ、早グ 行グンベシ」
鹿:鹿角郡 北:北秋田郡 山:山本郡
南:南秋田郡 市:秋田市 河:河辺郡
仙:仙北郡 平:平鹿郡 雄:雄勝郡
由:由利郡
秋田(県北)
田代町史資料 第四輯 田代町の方言(秋田県田代町, 1983年)ンダァ・ンダシ・ンダンシ
〔意味〕
そうだ・そうですのことである。ンダァ、は
、そうだ、シ、は、敬意を表わしたことばで
ある。
ンダギャ
〔意味〕
そうですかいということである。ンダ、は、
そうです、ギャ、かいからの転化である。
ンダデバ
〔意味〕
そうなんだよということである。決めつける
自信満々のことばである。
ンダナァ
〔意味〕
そうだなあということである。ンダ、は、そ
うだ、ナァ、は、なあである。思案する時、
又は、決意を固めた時に口にすることばであ
る。
ンダナンシ
〔意味〕
そうですねということで前項と同意であるが
丁寧ないい方である。
ンダベ・ンダンベ・ンダベシャ・ンダンベシャ
〔意味〕
そうだろう・そうだろうよ・ということであ
る。何れもあまり品のよいいい方ではない。
もっぱら同僚以下の会話に聞かれることばで
ある。
ンダモシ
〔意味〕
そうですということである。大変古いことば
で、今では全く耳にすることのない遺物的な
ことばである。
ンダンダ
〔意味〕
そうだそうだということばである。ンダンダ
、は、そうだそうだから訛ったことばである。
阿仁前田附近の方言・訛語(庄司国千代, 2012年)
んだ
〔意味〕そうだ
〔解説〕
会話の折、相手方の言うことを肯定する言葉
んだがぁ
〔意味〕そうですか
〔解説〕
問いかけの言葉で、対等者や年下に使う
《んだな》ともいう
んだし
〔意味〕そうです。
〔解説〕
肯定語で、《んだ》の丁寧語。目上の人に応
えるとき使うことが多い
んだな
〔意味〕そうですか
〔解説〕
問いかけの言葉で、対等者や年下に使う。
《んだがあ》ともいう
んだべ
〔意味〕そうでしょう
〔解説〕肯定語で、対等者や年下に使う
んでぇねぇ
〔意味〕そうでない
〔解説〕否定する語
秋田(県南)
おらほの言葉 西木村(佐藤ミキ子, 1997年)ンダ
〔意味〕そうだ。どれ。そうです。
ンダガ
〔意味〕そうか。そうですか。
ンダガモ
〔意味〕そうかも。そうかもしれない。
ンダガラ
〔意味〕そうですから。そうだから。
それだから。
ンダケ
〔意味〕そうであった。
ンダド
〔意味〕そうであったそうだ。そうだと。
ンダナ
〔意味〕そうだな。そうですね。
秋田(由利)
本荘・由利のことばっこ(本荘市教育委員会, 2004年)んだ・んだす〔連語〕
①そうだ。その通りだ。
〔例〕
「んだす まじげねぁ。
(そうです、間違いない)」
②そう。そうか。相手に対する問返し。
〔例〕
「彼の ゆてるごど んだが。
(彼の言っていること、そうか)」
んだぁ・んだが・んだがでぁ・
んだげぇ・んだおご〔句〕
〔意味〕そうか。そうなの。
〔解説〕
文末のイントネーションが高昇調の場合は疑問になる。
〔例〕
「んだが 昨日 いったことど まじげねぁな。
(そうか、昨日言ったことと間違いないな)」
んだがったら・んだごたら・んだごったら・
んだったら・んだごったば・んだごたば・
んだたら・んだらせぁ・んだらしぇ〔句〕
〔意味〕そうだったら。その通りであったら。
〔例〕
「まじがてるて んだがったら 早ぐなおせ。
(間違ってるって、そうだったら早く直せ)」
んだがら
〔接〕・・・だから。それ故。
〔例〕
「んだがら なんども ゆたでろ。
(だから何度もいったでしょう)」
〔感〕そうよ。そうそう。そうなの。
【語源】
〈「そうだ」に相当する語「んだ」に、様
態性を付与する接尾辞「く」が付き、さら
に「あるは」(「は」は詠嘆を表す終助詞
)が添えられたもの。んだぐあるは」の縮
約形。〉
んだでぇ・んだなぁ・んだねぁ・んだすけ〔句〕
〔意味〕そうだよ。そうだね。
〔例〕
「あの人 あこねえの むご んだでぇ。
(あの人、あそこの家のお婿さんだそうだよ)」
んだでろ・んだべじぁ〔句〕
〔意味〕そうだろう。そうであろう。
〔解説〕由利海岸部で多く用いる。
〔例〕
「んだでろ おれのゆたごど まじげぁねぁで
ろ。(そうでしょう、俺の言ったこと間違
いないでしょう)」
んだなあ・んだなが〔感〕
〔意味〕そうですか。
〔例〕
「入院したど んだなが なぼ 電話しても
でねぁけおんな。
(入院したって、そうですか、いくら電話し
ても出なかったものね)」
んだんだど〔句〕【補足】
〔意味〕そうなんだって。
引用欄を見出し語ごとに分けました。
岩手:旧盛岡藩(盛岡)
盛岡のことば(佐藤好文, 1981年)ンダ(連語)
〔意味〕そうだ。
ンダガラ(接続)
〔意味〕そうだから。だから。そこで。
ンダッタ(連語)
〔意味〕そうだった。
ンダンダ(連語)
〔意味〕そうだそうだ。
岩手:旧盛岡藩(中部)
おでぇあたっすか-花巻方言の整理と考察-(佐藤善助, 1976年)ンダベ 助動遠野ことば(俵田藤次郎・高橋幸吉, 1982年)
〔意味〕そうだろう
ンダンダ 感動
〔意味〕そうだそうだ
ンダ岩手県央部 紫波の言葉(山田長耕, 2007年)
〔意味〕そうだ
ンダガラ
〔意味〕そうなんですョ(合槌をうつ) 同感の言葉。
んだ
〔意味〕そうだ
んだな
〔意味〕そうだな
岩手:旧仙台藩(内陸)
胆澤の方言(阿部松輔・穴戸敦, 1983年)んだ
〔意味〕そうだ
んだがぁ
〔意味〕そうですか
んだがら
〔意味〕そうだから
んだがらって
〔意味〕そうだからと言って
んだがらよー
〔意味〕そうだからさぁ
んだごった
〔意味〕そうだこった。そうだと思う。
んださぁ んださぁや
〔意味〕そうださぁ
んだしぃ んだすぅ
〔意味〕そうであるし。それに。
んだっけぇ
〔意味〕そうだっけ
んだっけなぁ
〔意味〕そうだっけね
んだった
〔意味〕そうでした
んだったも
〔意味〕そうだったもの
んだったよー
〔意味〕そうでしたよ
んだっつ
〔意味〕そうだそうだ
んだっつす
〔意味〕そうだそうだし。それに・・・。
んだっつど
〔意味〕そうだってよ。
んだっつなぁ んだっつねぇ
〔意味〕そうだってね
んだっつはぁ
〔意味〕そうだということだ
んだっつやぁー
〔意味〕そうだってさぁ
んだっつよ
〔意味〕そうだってよ
んだでぇ んだでぇば
〔意味〕そうですよ
んだど
〔意味〕そうだと
んだどさぁ
〔意味〕そうだとさ
んだどすっと
〔意味〕そうだとすると
んだどなぁ
〔意味〕そうだとな
んだどねぇ
〔意味〕そうだとね
んだどは
〔意味〕そうだと
んだどもったでぇ
〔意味〕そうだと思ったよ
んだどもったったでぇ
〔意味〕そうだと思っていたよ
んだどもったったおんや んだどもったったもんや
〔意味〕そうだと思っていたよ
んだどや んだどよ
〔意味〕そうだとさ
んだなぁ
〔意味〕そうだね
んだべぇ
〔意味〕そうだろう
んだべぇが
〔意味〕そうだろうか
んだべぇさぁ
〔意味〕そうだろうさ。そうださ。そうでしょう。
んだべぇし んだべぇす
〔意味〕そうだろうし
んだべぇもなぁ
〔意味〕そうだろうものな
んだべぇよー
〔意味〕そうだろうよ
んだも んだもの
〔意味〕そうですもの
んだもなぁ
〔意味〕そうですよね
んだもやぁ
〔意味〕そうですもやぁ
んだんだ
〔意味〕そうだそうだ
んでねぇがぁ【補足】
〔意味〕そうではないか
んでねぇがべもやぁ
〔意味〕そうでないだろうなぁ
んでねぇぐ
〔意味〕そうではなく
んでねぇさ
〔意味〕そうではないさ
んでねぇす
〔意味〕そうではないし
んでねぇなぁ
〔意味〕そうではないな
んでねぇの
〔意味〕違うの。それではないもの。
んでねぇは
〔意味〕違う
んでねぇほぅー
〔意味〕違う方
んでねぇも
〔意味〕違うも
んでねぇもやー
〔意味〕違うもや
んでねぇやー
〔意味〕違うや。違うよ。
んでねぇよー
〔意味〕違うよ
この資料では、「んだ」の派生語を数多く見
出し語にとりあげています。連用形「んで」
に連なる語形については引用欄を分けて整理
しました。
岩手:旧仙台藩(沿岸)
気仙方言辞典(金野菊三郎, 1978年)んだがら「副」
〔意味〕それだから。だから。故に。
〔例〕んだから前に注意したんだ。
山形(全般)
山形県方言集(山形県師範学校, 1933年)んだ山形県方言辞典(山形県方言研究会, 1970年)
〔意味〕さうだ
〔使用地方〕庄内、最上、村山、置賜
〔例〕んだ それは牛だ。
(さうだ それは牛だ。)
んだべが
〔意味〕さうでせうか
〔使用地方〕最上
〔例〕ほだごと んだべが。
(そんな事さうでせうか。)
んだべな
〔意味〕さうでせうよ
〔使用地方〕最上
〔例〕んだべな、あの人は馬鹿だもの。
ンダ
〔意味〕然り。そうだ。
〔分布地点〕全県的
ンダが
〔意味〕そうか。
〔分布地点〕全県的
ンダべ
〔意味〕そうだろう。
〔分布地点〕置賜、村山、最上
山形(庄内)
みかわの方言(佐藤武夫, 1983年)んだ庄内方言集 おらが庄内弁(佐藤俊男, 1984年)
①そうです ②どれ 「んだ味見ろ」
んだが
〔意味〕そうですか
んだがも
〔意味〕そうかも
んだがら
〔意味〕そうだから
んだったら
〔意味〕そうだったら
んだど
〔意味〕そうだって
んだなぁ
〔意味〕そうだねえ
んだんだ
〔意味〕そうそう
んだ山形県朝日村 大鳥方言集(工藤栄太郎, 1996年)
〔意味〕そうだ
〔解説〕「んだんだ」となると、
そうだそうだの意になる
んだんだ
〔意味〕そうだ、そうだ。
〔解説〕大鳥古来の方言でなく、
以北の交流によって使われた
言葉でないかと考えられる。
山形(最上)
真室川の方言・民俗・子供の遊び(矢口中三, 1978年)ンダ
〔意味〕そうだ。そう。然り。
ンダガ
〔意味〕そうか。
ンダケ、ンダッケ
〔意味〕そうだった(よ)。やっぱり-。
ンダケガ
〔意味〕そうだったか。そうであったか。
ンダケガー、ンダッケガー
〔意味〕そうだったかなあ?
ンダケベー、ンダケベナ
〔意味〕そうだったろう。やっぱり-。
ンダッタ
〔意味〕そうだった。マァェ(以前は)-。
ンダベ、ンダベー
〔意味〕そうだろう。やっぱり-。
ンダベガ
〔意味〕そうだろうか。
山形(村山)
羽前村山方言(斎藤義七郎, 1934年)ンダ
〔意味〕さうだ
ンダベガ
〔意味〕さうだらうか
山形(置賜)
置賜のことば百科(菊地直, 2007年)んだ
〔意味〕そうだ。「 ほだ 」と同じ。
〔解説〕相槌を打つとき。
〔品詞〕感動詞
〔例〕「んだ、おめのゆうごど あだりだ」
「んだ、あんどぎは おらんだど
一緒に えだった 」
んだが
〔意味〕そうですか。
〔品詞〕連語
〔例〕「んだが んだが そらぁ ししゃねべ」
んだったら
〔意味〕そういうことなら。そうだったら。
〔品詞〕連語
〔例〕「んだったら なじょする」
んだでば
〔意味〕そうなのだ。
〔品詞〕連語
〔例〕「嘘でねえ んだでば」
んだど
〔意味〕そういうことです。
そうだということです。
〔品詞〕連語
〔例〕「確かめだら んだど」
んだんだ
〔意味〕そうだ、そうだ。
〔解説〕念を押しながら相槌を打つこと。
〔品詞〕連語
〔例〕「んだんだ、それは 確かなことだ」
宮城(全般)
宮城県史20 民俗Ⅱ(宮城県史編纂委員会, 1960年)方言(藤原勉)
んだ
〔意味〕そうだ。ふだ・ほだ とも言う。
〔例〕「んだ。んだがら言わねえこどでねゃあ」。
宮城(仙台)
仙台方言集(土井八枝, 1919年)んだ
〔意味〕そうだ
んだべ
〔意味〕そうでせう
宮城(県北)
細倉の言葉(世古正昭, 1956年)んだ
〔意味〕ソウダ。
〔解説〕
ウンダ(unda) ではなくて ンダ(nda)。
一般には ソウダ の意で
、 ンダンダ と重ねて用いることも多いが、
又、別に ンダ で
サア、イザ というように
促しの意で用いることもある。
「 ンダ 行グベシ」(サア行こう)
のような例である。
んだんだ
〔意味〕ソウダ、ソウダ。
〔例〕
一般の ソウダソウダ 程
重ねて強調するのではなく、
もう少し軽いニュアンス、ソウソウ。
宮城(三陸圏)
石の巻弁 語彙編(弁天丸孝, 1932年)んだ、んだべ
〔意味〕そうだ。そうだらう。
〔例〕「んだんだやっとおべだ(覚た)」
んだでば
〔意味〕そうですよ。
けせんぬま方言アラカルト(菅原孝雄, 2006年)
んだ
〔意味〕そうです。
〔例〕「んだ、やっぱり予想どおりだったや」
んだがら
〔意味〕そうだから。
〔例〕「んだがら おれの言った通りだべ」
んだでば
〔意味〕そうですよ。
〔例〕「んだでば、あの人隣りの旦那はんでがす」
んだべが
〔意味〕そうだろうか。
〔例〕「んだべが わだすはそう思わねぇがった」
んだんだ
〔意味〕そうだそうだ。
〔例〕「んだんだ そのようにやっぺす」
福島(全般)
福島県方言辞典(児玉卯一郎, 1935年)ンダ
〔意味〕さうだ
〔例〕「んだったなあ」「んだ」
〔使用地域〕県北・中部・会津・浜通
ンダガ、ンダカ
〔意味〕さうですか
〔使用地域〕県北・県南・浜通
ンダベカ
〔意味〕さうでせうか
〔使用地域〕県北・中部
福島(会津)
会津只見の方言(只見町史編さん委員会, 2002年)んだ
〔意味〕そうだとも。その通りだ。
もっともだ。
〔品詞〕感動詞
福島(中通り中部)
都路村史(都路村史編纂委員会, 1985年)ンダ 〔意味〕そうだ
郡山の方言(福島県郡山市教育委員会, 1989年)
ンダ
〔意味〕返事。そうです。そうだ。
〔品詞〕感動詞
ンダンダ
〔意味〕そうだそうだ。
〔品詞〕感動詞
どごんわらしえ 故郷福島県「正直」の言葉(鈴木節子, 2017年)
んだ
〔意味〕そうだ
んだ、んだ
〔意味〕そうだ、そうだ
んだな
〔意味〕そうだな
んだべ
〔意味〕そうだろう
福島(中通り南部)
鏡石町史 第四巻 民俗編(鏡石町, 1984年)ンダ
〔意味〕そうだ、そうです
天栄村史 第四巻 民俗編(天栄村史編纂委員会, 1989年)
んだ
〔意味〕そうだ そうです
鮫川村史 第一巻 通史・民俗編
(鮫川村 鮫川村史編さん委員会, 2001年)
んだが
〔意味〕そうか
石川町史 第七巻 下 各論編2 民俗
(福島県石川町町史編纂委員会, 2011年)
んだ
〔意味〕そうだ
んだがら
〔意味〕そうだから
んだった
〔意味〕そうでした
んだでば
〔意味〕そうだけれども
んだもんで
〔意味〕そうなので
んだんだ
〔意味〕そうだそうだ
福島(浜通り北部)
高平方言集(高平方言教室, 2005年)ンダ
〔意味〕そうだ
〔例〕ンダべど思った
ンダガラ
〔意味〕そうだから
〔例〕ンダガラ言ったべ
ンダッタ
〔意味〕そうだった
〔例〕今思えば、ンダッタなあ
ンダベ
〔意味〕そうだろう
〔例〕ンダベど思った
ンダナー
〔意味〕そうだな
〔例〕ンダナー。おめの言うとおりがもしんにぇ
大熊町方言集(おおくまふるさと塾, 2019年)
ンダ
〔意味〕そうだ
〔例〕ンダなあ
ンデネ
〔意味〕そうではない
〔例〕ンデネど
福島(浜通り南部)
いわき方言(高木稲水, 1975年)んだ
〔意味〕そうである。
富岡町史 第三巻 民俗 考古編(富岡町史編纂委員会, 1987年)
ンダガ
〔意味〕そうか
ンダガラ
〔意味〕そうだから
いわき市小川町地方の方言(草野二郎, 1988年)
んだ
〔意味〕そうだ。強調すれば「 んだんだ 」。
〔例〕んだ、それはその通りだ。
新潟県東蒲原郡(旧会津藩領)
奥阿賀・方言と写真(徳永次一, 1997年)ンダ
〔意味〕そうです。
編集後記
かつての日高見国である東北地方の言語を未来へ継承していくためには、公用語化が不可
欠です。
当方の提唱する標準東北語の用法は、国語の
東北版として、東北各地の言語資料を基に、
東北の広範囲に共通の用法で構成されており
、文章語として公文書や記事などに使うこと
を想定しています。
尚且つ、東北全土の言語に対応しているため
、東北各地の言語の地域公用語化にも貢献で
きるはずです。
当方では、標準東北語を、中国における北京
官話(普通語)に相当するものと位置付けて
いますが、「方言」から公用語化への脱却こ
そが、明治以降、自らの言語を否定され、劣
等感を植え付けられた東北の力を引き出す原
動力となるはずです。

