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5/31/2026

愛こ゚え:③江戸時代の文献

形容詞「愛こ゚え」は江戸時代の文献にもみら
れます。ここでは、岩手・宮城・山形の言語
資料をとりあげます。

〔参照〕①用法編 ②語源編

編集者:千葉光

目次:

01. 江戸時代の文献
 【岩手】南部叢書
 【宮城】仙台方言音韻考 宮城県史
 【山形】山形県方言辞典
02. 総括

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江戸時代の文献

次の岩手・宮城・山形の資料では、江戸時代
の文献から「めごい・めいごい・めこい」に
ついて、とりあげています。

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【岩手】南部叢書
南部叢書 第十冊(南部叢書刊行会, 1929年)
【御國通辞】

めごい
 江戸詞:かあいゝ 可愛

【補足】
御國通辞(おくにつうじ、寛政2年)は盛岡
言葉と江戸言葉を、対比する構成になってお
り、「めごい」に対応する江戸言葉として「
かあいゝ・可愛」を挙げています。

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【宮城】仙台方言音韻考
仙台方言音韻考(小倉進平, 1932年)
【浜荻】

めごひ 仙台
 愛、神代卷鐘憐、萬葉に米具斯、かはゆき事。
 いとしひ 江戸

めいごひ 仙台
 可愛、愛、神代卷めこひ共、めこひに委し。
 かはひらしひ 江戸

【補足】
浜荻(江戸末期)は仙台言葉と江戸言葉を対
比する構成になっており、「めごひ・めいご
ひ」に対応する江戸言葉として「いとしひ・
かはひらしひ」を挙げています。
神代巻(じんだいかん)は、日本書紀の注釈
書で、鎌倉時代の文献です。

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【宮城】宮城県史
宮城県史20 民俗Ⅱ(宮城県史編纂委員会, 1960年)
めごい メコ°エ メケ°エ
〔解説〕
古語めぐしの転。めごこい・めんこいとも。
可愛い。

【仙台言葉伊呂波寄】
「めいごい かわい事」。

【仙台方言達用抄】
「めこい かわゆい」。

【補足】
この資料では、江戸時代の文献として、「浜
荻」「仙台言葉伊呂波寄(享保5・菊花堂)
」「仙台方言達用抄(文政10・贅庵)」を
とりあげています。

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【山形】山形県方言辞典
山形県方言辞典(山形県方言研究会, 1970年)
メゴイ メゴエ(形)
〔意味〕かわいい。
〔分布地点〕全県的。

【山形棚佐賀志】
 めこい(かわいひとといふ事)

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総括

ここまで江戸時代の文献として、御國通辞・
浜荻・仙台言葉伊呂波寄・仙台方言達用抄・
山形棚佐賀志をとりあげてきました。

語形としては、「めごい・めごひ・めいごひ
・めこい」が見られ、意味としては、「かあ
いい・かわい・かわゆい・いとしひ・かはひ
らしひ」とあります。

浜荻に、万葉集から「米具斯(めぐし)」、
神代巻から「めこひ」の引用が見られますが
、すでに江戸時代には、「めぐし」に由来す
る語であることが認識されていたことがうか
がえます。


編集者:千葉光

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